2016/07/18
以下、創作。
ドンドン!ドンドン!
また、誰かが部屋のドアをノックする。
「ここに、何かがあるって聞いたんだがねえ!おい!誰かいるのか?」
ドンドン!ドンドン!
部屋の住人は「やれやれ。またか、、、」と思いながら、小さな声でこう答える。
「鍵はかかっていないよ。」
ドンドンドン!ドンドンドン!
「おい!誰もいないのか?」
どうやら、ドアをノックするのに必死で聞こえなかったようだ。
そこへ別の人物がやってくる。
「ここに何かあるって聞いたんだが、何か見つかったかい?」
「いいや、さっきからドアをノックしてるけど何の返答もないんだよ!」
と、大声で話し始める。
部屋の住人はもう一度答える。
「鍵はかかっていないよ。」
「ここも違うみたいだねえ!」
「ああ、ここも違うみたいだ!あっちの方にも何かがあるって聞いたんだが、一緒に行ってみないかい?」
今度は、おしゃべりに夢中で聞こえなかったようだ。
「そうだな。今度はあっちへ行ってみよう!」
「ああ、そうしよう!」
二人は次を求めて、立ち去って行った。
最初から鍵はかかっていないし、本当はドアすらない。
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