20170211
「.........。」
目が覚めると沈黙から始まる。
そして今見上げているものが、天井だった事を思いだす。
白い。
天井に向けていた意識が今度は反対側に向く。
この二つの覗き穴。かぼちゃ大のなにかをくりぬいた覗き穴。頭と目だった事を思いだす。
(この覗き穴は非常に不思議なもので、向こう側から見ると二つあるのに、こちら側からみると一つしかない。お前も鏡の前に立って確認してみろよ。(お前って言ってごめんね。この人はこういうキャラクターだからね。byキヌ)そのかぼちゃには二つの覗き穴がついているにもかかわらず、二つの覗き穴を覗いているこちら側の穴は一つしかない。穴?穴ですらない。穴には必ず 終わり と 始まり という境目があるはずだ。境目があるか?どこにある?「いやいや、こちらがわには二つの目があって、そこからものを見ているんだよ。」と頭はいうかもしれない。それはただの 考え にすぎない。実際に見えているものだけに焦点をあててみてほしい。境目があるか?全てが一つとして見えてこないか?広大な空間の中にこの世界が密着して現れていないか?自分の体 と呼ばれるこの重量を持った物体もその表れの世界側にないか?じゃあそれを見ているこの 単一の目 はなんだ?それはなんだ?そう、俺とお前は同じなんだよ。一つなんだよ。)
そして、頭の下には首がついている。
首の下には胴体、胴体には手と足がついている。
ちゃんと動くか確認してみる。
うん、ちゃんと動く。
頭のてっぺんから足のつま先、隅々にまで意識を張り巡らせてみる。
一人の人間 の完成。
そうこうしているうちにさまざまな感情、記憶が立ち上がってくる。
昨晩の事や、もっと前の事や、未来の展望や、あの子の笑顔や、俺のあだ名の「しぬる」。
悲しくて、とても愛おしいなこの人間世界は。
空気式イス取りゲーム、大平原での高鬼ごっこ、そして檻の中のダンス。
上等じゃないか、はい、喜んで。
俺は今日もコーヒーを入れに行く。
この 単一の目 を携えて。
おはよう。
(ありがとう。ダグラスハーディング。そしてありがとう。俺に関わってくれている人たち。みんなが幸せで、健康で、心豊かでありますように!)
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